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真夜中の公園で

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その公園では白黒の猫を時々見かける。恐らく一歳以上の野良猫だろう。だが、それにしては白いところがやけに白い。余程綺麗好きな猫なのだろう。そして、鼻と口の周囲が白い顔は、なかなか器量良しである。
 だが、彼は警戒心が強く、河田が一メートル以内に接近することを許さない。どんな声で鳴くのか、その声も聞いたことがない。
 初めて出会ったのはちょうど半年前の冬のことで、彼は池の周囲を散策していた。最初は十メートル以内に近づくと、もう慌てて走って逃げたものだった。
 数日前のことだった。夜中の一時前に河田が公園内に入って行くと、その猫にじゃれついている別の猫の姿があった。それは茶トラ白の、どちらかといえば子猫の部類だった。白黒が相手にしない。そのうちに白黒はどこかへ走り去った。そのあと子猫はぴょんぴょん跳ねて草にじゃれたりしていた。恐らくは生後半年から十ヶ月前後と思われるその子猫は、河田が接近しても逃げそうな気配がなかった。
 その一時間後に河田が公園に行くと、子猫は花壇の中で眠っていた。河田は子猫に手が届く程のすぐそばであどけないその寝顔を眺めた。子猫は薄目を開けたが、起きる気配はなく、再び眠り込んだ。余り賢そうな顔ではないが、まあまあの可愛い猫だと、河田は思った。
作品名:真夜中の公園で 作家名:マナーモード