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なっちょん
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novelistID. 25113
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片山レンジャー 前編

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「で、良く解らないスーツを貰いましてね」

 思い出話だが、余計な心配を招くと自爆の所は言わずに説明する。

「だから、僕が戦いで役に立つには自分で鍛えるしかないんです!」

 片山レンジャーは意気込んで言う。しかし、恵子ちゃんの返答は単純明快だった。

「馬鹿みたい」

「で、ですよね...」

「まぁ、あたしの嫌いなヒーロー連中とは違うみたいだから良かったわ」

「...恵子ちゃんは、なんでヒーローが嫌いなんです?」

 恵子ちゃんは目を丸くした。そして大きく二回瞬せ、言う。

「...普通、自重するような事をずばっと聞くのね、あんた」

「え?その、言いにくい事なんですか?」

「ん~......」

 少し、上を向いて考える...そして、彼女は息を吐いた。

「ま、あんたのへっぽこな過去に免じて、教えたげるけどさ」

「はい」

 恵子ちゃんは、大きな息をもう一つ吐いた。

「あの日は、雨でね...赤い傘を差してたの」

「ほう?」

「ママとね、買い物帰り。ママのお腹には、あたしの弟か妹が居たの」