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なっちょん
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novelistID. 25113
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片山レンジャー 前編

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 二坪程度の片山池だが、石の囲いは走るのに適している。と思った日より、彼は朝を走る事にした。小さな池を、全力疾走五千周。

 途中、着替えた恵子ちゃんが、おむすびに奈良漬け添えてもって来た。

「はいこれ、朝ごはんよ」

「おおっ!ありがとうございます!」

 走りながらの返礼に、恵子ちゃんはじとりと睨む。

「あんた、バターになる気?」

「え、僕のバターは美味しく無いですよ?」

「まあ、まずそうだけどさ」

 軽く息を吐いてから。恵子ちゃんはおむすびを置く。

「走った後も、何かするんでしょ?」

「はい!逆立ち腕立て五千回、片足スクワット二千五百回ずつで、反復横飛びを三万回。あとは...」

「...もう良いわよ」

 大きく手を振り、言葉を遮る。

「でも、何でそんな事するの?」