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過去からの訪問者(6月4日変更)

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「……不思議に思っているのですがね、由美ちゃんは創美会からアトリエIになぜ移らなかったのか……あっ!創美会に美大生を顧問として招聘したって、棚橋から聞いたことがあるけど、それが由美ちゃんだったということ?」
「去年のお正月からね。最初はアルバイト募集ということで、大学にそういう求人要請が来て、みたいな形で入ったの。でも、わたしってお金に執着がないから、それに、ひとに教える柄でもないし……」
「そら豆食べようか」
「ええ、嫌いじゃないわ。あのね。去年の年末に、高校の同級生に声をかけて、郵便局の人たちと合コンをしたの」
「棚橋から頼まれてそういうことになったんだね」
「さすがね!清さんは何でも知ってるのね」
 何となくわざとらしく、大げさな驚き方だと、中野は由美を見て思った。
「あいつ、口癖のように合コンしたいって、飲む度に云ってたよ。ここで意地悪な質問かも知れないけど……」
「そうよ。わたしと親しくなってくれた男性はゼロだったわ。高校のときの同級生を何人か呼んだら田村さんというこだけ目的を成就させたのよ」
「田村さん?そのひとの下の名前は?」
 五年前に中野を棄てた恋人も田村という姓だったのである。
「郁子のことよ。彼女はね、来年結婚することになったわ」
 中野はまたも衝撃を受けた。
「参ったな!今日はまさかが、全部まさかじゃないんだよな。相手が棚橋だなんて云わないでくれよ」