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 ジョッキも充分に冷えた生ビールが、にこやかな表情の中年女性の店員によって届けられた。
「云います。アトリエIの文集で、読ませてもらっています。じゃあ、乾杯!」
「乾杯!そういうことなんだ。棚橋だね!違う?彼とどこかで繋がってる?」
「繋がってます。創美会で」
「創美会」というのは棚橋が属している絵画愛好サークルである。そこのメンバーとして、由実も名を連ねていたことが、彼女の説明で判明した。由実も小説を書いていることを棚橋に云うと、彼がアトリエIの文集『蒼い麦』を提供してくれたということだった。
「棚橋が銀座四丁目で携帯使ってたけど、相手は由美ちゃん?」
「そうよ。有楽町でその連絡を待ってたの。だから清さんと同じ電車に乗れたのよ。銀座のライオンに清さんが行ってたら、こんな風には逢えなかったわ。その点は清さんに感謝しているの」
「ライオン」というのはビアホールの名前だった。
「そうですか……じゃあ、新橋から乗車したというのは、嘘なんだね」
「有楽町で二両目に乗車して、新橋で下車してから一両目に移ったんです。だから半分は本当です」