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CROSS 第18話 『Embassy』

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「…………」

山口が無言でベータを見ていると、
「やめろ、ベータ」
アルファがそう言って、ベータに拳銃を戻させた。
「じゃあ、違う質問にします」
アルファはそう言うと、別の書類を取り出した。ベータもその書類
を見て、うなずいていた。
「あなたは、在プラント大日本帝国連邦大使館に勤務していたこと
 がありますよね?」
「駐在武官でな」
アルファとベータがそう質問してきた……。山口が在プラント大日本
帝国連邦大使館で何をしていたかを聞いているようだ。

 確かに彼は、プラントにあった大日本帝国連邦大使館に、駐在
武官として勤務していた。その前の任務でヘマをやったことによる
左遷だったが、彼はそこで重要な任務についていた。もちろん、
非合法の活動で、ペラペラと喋っていいことではない……。

「…………」
わざとらしいが、山口は黙秘することにした。
「おまえは、我が国で何をしていたんだ?」
しびれを切らしたベータが単刀直入に質問してきた。
「……自分は、大日本帝国連邦陸軍所属の山口少佐です。識別
 番号は、075819910327です」
山口は、自分の所属と識別番号を棒読みで言った。
「おい、ふざけるな!」
ベータが机を叩いた。
「自分は、大日本帝国連邦陸軍所属の山口少佐です。識別番号
 は、075819910327です」
山口は、先ほどと同じ口調で言った。

「クソ!!!」
ベータは毒づくと、
「アレを使おうぜ!」
アルファにそう言った。アルファはため息をついた後、
「仕方ないな」
そう静かに言うと、小型アタッシュケースから注射器を取り出した。
注射器には何かの薬が入っていた……。
「……まだ済ませてない予防接種があったかな?」
山口はそう軽口を言ったが、彼は注射器の中身の薬が何なのかを
理解できていた。
 中身の薬は、自白剤だった……。名前からわかるだろうが、無意
識に自白してしまう効果がある薬だ。もし、自白剤を打たれたら、
なんでもペラペラと喋ってしまうだろう……。
 さっそく、アルファが自白剤入りの注射を打とうとする。
「やめろ!!!」
山口は暴れたが、身体が固定されているので意味がなかった……。
 そして、注射器の針が山口の腕に刺さり、自白剤が注入されると、
すぐに山口は、自白剤の効果により、意識がどこかに飛んでいって
しまった……。

 そして、山口は無意識のうちに、アルファとベータの質問に答え
始めた……。