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CROSS 第18話 『Embassy』

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 テーブルの上に置かれたのは、アーティファクトだった……。こ
れが、あの小包の中身なのだ。剣のようなアーティファクトで、山口
は、ただのアーティファクトではないと直感した……。ただ、山口は
それを顔には出さないようにして、
「ちょっと高い土産物だよ。売ってる店を教えてやろうか?」
そう言ってごまかした。だが、アルファとベータは一笑した後で、
「これが重要な物だというのはわかっています」
「あの世界の化け物どもが作ったすごい物なんだろう?」
そう言うと、苦笑いしながら、
「まったく、変な連中ばかりだったな」
「何匹か連れ帰れば良かったかな?」
そう言って笑っていた。
「……やれやれ、未開人はこれだから」
山口があきれた様子でそう呟くと、ベータが、
「未開人だと? まさか、ナチュラルにそう言われるとは思わなかっ
 た!」
馬鹿にした口調でそう言った。
「幻想共和国軍の空母の幽霊に脅かされたんだろ? オレなんて、
 普通に話せるぜ」
山口がそう言うと、アルファとベータは気まずそうに顔を見合わせ
て、
「おまえ、あのクソ忌々しい幽霊船の件を知ってるのか?」
「プラントでは大騒ぎになったんですよ」
そう小声で言った。
「ついこの間、その空母に乗せられていたんだよ。一応、その空母
 の艦長とは知り合いだけどな」
山口は偉そうにそう言った。
「どんな奴だ?」
ベータが興味津々に食いついてきた。ザフトでは、よほど屈辱的な
出来事なのだろう。
「半分人間で半分幽霊の女だよ。名前は、魂魄妖夢といったな」
山口は時間を稼ぐために、このままこの話題を話し続けてやろうと
思った。彼は、ペラペラ喋ったことが本人にバレないよう祈った
……。
「なに? 半分人間で半分は幽霊?」
ベータはうまく理解できないようだ……。この様子では、妖夢は
普段冥界にいて、そこで庭師をやっているということなんて、全く
理解できないだろう……。
「ベータ。その話はもういいだろう」
残念ながら、アルファがそう口を挟んできて、庭師艦長の話はそこ
で終わった。
「話を続けます。アーティファクトとはなんですか?」
アルファはテーブルの上にある剣のアーティファクトを指さした。
「オレは学校の先生じゃないぞ」
山口はそう言うと、そっぽを向いた。
「じゃあ、授業料を払ってやろうか?」
ベータが拳銃を抜いて、山口に向けた……。