小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

アトリエの恋

INDEX|93ページ/102ページ|

次のページ前のページ
 

 
「わかった。マスター!ラーメン、麺硬めでひとつお願いします」
 阿坂は店の奥に向かって大きな声で云ったつもりだったが、その声は厨房まで届かなかったらしい。すぐにジンさんが阿坂に代わって彼の注文を伝えてくれた。
「はいよー。ラーメン麺硬一丁」
 阿坂はジンさんに礼を云った。
「二人は〜一つの〜ラーメンを〜分け合うほどの〜愛で結ばれ〜て〜る〜」
「アオちゃんには降参だ」
「面白いひとね。アオちゃん」
 さやかも幸福を感じているのだろうと、阿坂は思った。
 さやかの家までは直進で十分余りの距離だった。バス通りだが、最終バスの時間は随分前に過ぎていた。タクシーもあまり通らない道だ。
 さやかの家までの間には、清涼飲料の会社、理髪店、マンション、クリーニング店、スーパーマーケット、酒屋、和菓子店、コンビニ、スナック、コインシャワー、生花店、寺院、鮮魚店などが、一般住宅を挟みながら並んでいた。
 コンビニとスナック以外はどの店も営業を終了していた。だから寂しい雰囲気だった。
 二人は手を繋いで歩いて行った。道路の中央寄りを阿坂が歩いた。先程中華料理店を出るときに、青島はさやかを絶対に幸福にすることを、阿坂に約束させた。それを聞いていたジンさん、リョウさん、キミ子さん、ケンイチさん、ノボルさん、そしてマスターが、青島と同じことを云った。
「みんないい人たちね。来年のお花見は、一緒に参加したいわね」
「そうしよう。でも、何か御馳走を持って行くことが参加条件だからね、よろしく頼むね」
作品名:アトリエの恋 作家名:マナーモード