小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

アトリエの恋

INDEX|8ページ/102ページ|

次のページ前のページ
 

「大げさですね。さやかちゃんがここで笑ったのは初めてのことですよ」
「先生、そんなことないですよ。わたしは明るさが取り柄なんですから」
「そうだったね。ごめん、ごめん。はい。六号のキャンバス」
「ありがとうございます」
阿坂は教師から受け取ったものをイーゼルに設置した。同時に彼は自分の左側および左後方の人たちが描いているのが中央のテーブルの上の、灯油ランプや色ガラスのワインの空き瓶、貝殻などの静物であることに気付いた。
「先生。モチーフはどちらでもいいんでしょうか」
「好きな方を選んで描いてください。描き方も色もお好きなようにどうぞ。私は抽象画専門ですから具象画を描けなんてそんな野暮なことは云いません。とりあえず一定の平面を色彩で分割したものが絵画だと考えてください。あくまでも自由に、描きたいものを描いてください」
「梅田先生、急に『チビまるこちゃん』を描きたくなりました」
阿坂と同年輩らしい丸顔の男がそう云うと、さやかはまた笑った。ほかのひとたちも笑っていた。冗談を云ったのが樫村さんだと、彼女は阿坂に教えた。
「そういう人は漫画教室へ行ってください」
作品名:アトリエの恋 作家名:マナーモード