アトリエの恋
阿坂は明るい笑顔でつぶやいた。さやかは素晴らしい笑顔で応えた。
「釣り!海で釣りをしてみたいの」
「いいね。少しだけやったことがあるよ」
「どうだったの?」
「あの、ビビビがたまらんね」
「何それ。感電した?」
「魚がかかったときの手応え!病みつきになるぞ」
「いつ、いつ?早く行きたい!」
「次の土曜日は仕事だから、今度の日曜日だね」
「嬉しい!浩樹さん大好き!」
さやかは阿坂に抱きついた。阿坂は周囲からの視線を感じて複雑な気持ちだった。漸くここまで辿り着けたのだと彼は想い、さやかを抱きしめたいという気持ちとの葛藤を半ば愉しんでいた。