アトリエの恋
さやかは驚きの表情を見せた。
「はい」
「何かしら」
「あとで見てください」
「はい……ありがとう」
嬉しそうだった。
「……たこあげとか、竹馬、羽子板……」
「お正月ね。待ち遠しくてね、子供のころ」
「そうでしたね。思い出すといろいろな遊びがあります。福笑い、すごろく」
「石けりとか、ゴム飛びとか、鬼ごっこ、かくれんぼ」
「正月に?」
「やりましたよ。缶けりとか、だるまさんが転んだ。それから馬跳び」
さやかはむきになって云う。
「後ろの正面だあれ、陣取り、押しくらまんじゅう」と、阿坂も応戦。
「でんしゃごっこ、影踏み、縄跳び」
「にらめっこ、ベーゴマ、めんこ、ビー玉」
「おはじき、あやとり、おままごと」
ひとしきり、二人で笑った。阿坂は胸に熱いものがこみ上げてくるのを感じていた。
「きりがないですね。いろいろあって、人生の黄金期でした。あの頃」