「セックスアンドザシックスティーズ」 第十六話
「えっ?どういう話なの。彼が式に現れなかったと言うこと?よね、つまり逃げられたって言うこと?」
「後で解ったんだけど、男性は結婚している人だったの。1人暮らしをしていた事は事実だけど、それは理由があって奥さんと離れていただけだったらしいの」
「じゃあ、奥さんの元へ帰っていったって言うわけ?酷い話よね、結婚詐欺じゃなかったの?」
「相手の男性の居場所を何とか突き止めて直接だともめるから第三者に入ってもらって話をしてもらったんだけど、謝るばかりで進まなかったの」
「そりゃそうよね、離婚してなければ重婚になっちゃうから出来ないわよね・・・慰謝料とかもらったの?」
「映子さん・・・姉はショックで寝込んでしまって、もういいから1人にして欲しいと父と母に言ったの。これ以上係わりたくないって・・・」
「可哀そうに、同じ女性として憤りを感じるわその相手の男性に。最低よね!」
恵子は美紗子の目に涙がにじんでいるのを感じて急に切なくなってしまった。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第十六話 作家名:てっしゅう