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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「セックスアンドザシックスティーズ」 第十六話

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「私が結婚に慎重になっているのには理由があったの。大学を出て就職してすぐに姉が婚約したの。家族に紹介された相手の男性はとっても優しそうで素敵な人だったわ。嫁入り道具で姉の部屋がいっぱいになってしまって、式を挙げるまでの一月ほどは私の部屋で一緒に寝ていたの。
毎日が夢のある話ばかりだった。子供のことや、新婚旅行のこと、新居の事や将来の一軒家を建てたいって言う話に毎日花が咲いていた」

「そうだったの・・・女はそういう時期が一番華やかに感じられるわね。お姉さんお幸せだったのね」

「映子さん、姉は仕事も辞めてお嫁に行くことにすべてをかけていたの・・・結婚式の当日会場に行くために待ち合わせをしていた姉はいつまで経っても来ない花婿にいらいらしていた。
自宅へ電話しても誰も出ないし、痺れを切らして父親の運転する車で住所を辿って男性の住んでいたアパートに向ったの。
そうしたら、信じられない事に誰も住んでいなかったの部屋には・・・姉は確かに周りの光景を覚えていてここに住んでいたことは間違いないって言うし、何がどうなっているのか解らないままその日は過ぎてしまったの」