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コゴトノヤ
コゴトノヤ
novelistID. 38441
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heaps of corpses

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さて、どいつが良いか。
俺は獲物を丁重に見定める。日が沈み、人通りがだいぶ少なくなってきて、俺の仕事の時間がやってきた。俺の本業は雇われの護衛だが、それだけで生計はたてられない。
一週間前の護衛料は、たった五枚の銅貨のみ。相手が随分とケチりやがったのだ。メシなしの夜番だっつのに、この報酬はいただけない。
おかげで俺はこの一週間、宿なし風呂なしの野宿だった。仕事の仲介料も払えないから、収入源もない。明日明後日ぐらいには食う物にも困ることだろう。
路には七人。まだ駄目だ。
第一、愚民で盗みを一度もやっていない奴なんかいやしないのだ。俺の様に副業的な奴もいれば、そのまま盗みを生業にしている奴もいる。
まあ、副業にするには、いささかリスクが高すぎるのが難点か。盗人の印象がついた護衛なんざ、誰も雇っちゃくれないのだから。
成り上がりが通る。アウト。
平民にしては金がありそうで潔癖っぽい奴が、最もカモに相応しい。
一番獲物にしちゃあならないのは、それこそ正に血のにじむ様な努力をしてぎりぎりの正攻法で金を稼ぎ、その金で愚民から平民になった奴。
こいつらは金の一銭一銭に異常なほど細かいから、銅貨より価値の低いクレニー札の一枚だろうが、盗ればすぐさま殴りかかってくるだろう。平民の様に「何が起こったか分からない」にはならないし、かなりの修羅場を抜けている奴が多いから、強者揃いも甚だしい。
他に獲物に向かないのは、三人以上だったり酔ったりした平民だ。平民とはいえ多勢に無勢、多いときは厄介だし、酔った奴は声がデカくなり加減がない。その上、飲んでサイフが寂しくなっていたり。
作品名:heaps of corpses 作家名:コゴトノヤ