「セックスアンドザシックスティーズ」 第十五話
四人は名古屋駅から地下鉄に乗り科学館のある次の駅で降りた。
南に少し歩いて巨大な球状の建物を発見した。
「これがそうなの?すごい外観ね。プラネタリウムです!ッて感じよ」
「そうなの。なんでも世界一らしいですよ。規模では」
「そう・・・楽しみだわ」三人は口を揃えてそう言った。
夏休み期間とあって平日でも混雑していた。次々回の放映まで待たなければならなかったので、一旦外に出て昼食を採ることになった。
「ねえねえ、恵子さんのお話が聞きたいわ」
典子はそう切り出した。
「これといって変わったことなんかないですよ。月に一度ぐらい彼が大阪に来るか、私が静岡に行くかして逢っているだけなんだから」
「彼ってどうなっているの?離婚したの?」
「まだしてないわよ典子さん。しなくても構わないから余り聞かないけど、聞いた方がいいのかしら?」
「微妙よね。恵子さんは独身だから彼が離婚したら一緒になりたいって考えるよね?」
「そうね・・・再婚までしなくても一緒に暮らしたいってきっと強く感じるでしょうね」
「なんか他人事のような言い方をするのね」
「そうじゃないけど・・・そのことに拘っていないからそう言ったのよ」
「恵子さんはずっと今のまま不倫でも構わないって言う感じなのね?どうして・・・セックスが出来ればそれでいいとか思うの?」
「典子さん!あなたはどうなの?そんな関係でも続けられるの?私には無理よ、若くないしね」
「年齢の問題じゃないんじゃないの?建前はどうにでも言えるけど、本音は自分だけのものにしたいって思うわ」
「映子さんはどう?」
「私?・・・そうね、結婚しているから、建前と本音を使い分けなきゃ続けられないし、続けちゃいけないって思うわ」
「それは割り切って関係を続けるって言うことよね」典子は念を押し気味に映子に聞いた。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第十五話 作家名:てっしゅう