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でんでろ3
でんでろ3
novelistID. 23343
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いつか龍になる日まで

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 龍は酒と賭博に溺れるようになった。
「なー、朱美ー。金、くれよー」
文字通り、とぐろを巻いて、龍は言った。
「だめですよ。また、発泡酒と縁日の型抜きでしょう?」
「そのうち、一発、大きく当ててやるからよー」
「型抜きで、どう大きく当てるって言うんですか?」
「俺は、『哭(な)きの龍』って恐れられてんだぞー」
「スッカラカンになると、だだこねて泣くからでしょう。みっともない」
「酒、持って来ーい」
「まったく、発泡酒2本でベロベロじゃない。どんだけ弱いのよ」
「経済的と言え」
「経済的なら型抜きを、おやめなさい」
「じゃあ、ヨーヨー釣りにするぞ!」
「まぁ、それなら、平和そうだけど……」
「ばーか。とびきり重いヨーヨーの中に千円札や五千円札が入っていてなぁ、そいつを釣るんだよ」
「呆れた。そんなのあるの? でも、釣れないようにできてるんでしょ」
「じゃあ、亀すくいだ」
「亀なんか飼ってどうするのよ」
「ばーか。百戦錬磨の亀の甲羅には背番号が書いてあってなぁ。そいつをすくうと金が貰えるんだよ」
「いい加減にしなさい。馬鹿な話ばっかりして。働いてくれるんじゃなかったの?」
「俺が働かないんじゃねぇ。社会が俺を働かせないんだ」
「何を、威張っているのよ。本当に何も仕事が無いって事はないんじゃない?」
「ねーんだよっ。けったくそ悪い。やってらんねーよ」
龍は荒々しくドアを閉めて出て行った。