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ありんこ探検隊

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蟻ーダ率いる探検隊は、ひととき休憩を取ることにした。
「あの丘は、どんなところだろうなー」
風が吹いて草が緑色に輝き揺らぐのを見ながら腰を下ろした六匹。
蟻ヨンがみんなに囲まれているようにも見えた。
「蟻ゴウ、さっきはありがとう。これ食べて」
「何言っているんだ。みんな蟻ヨンが居なかったらいつまでもあのままだったよ」
手を出しかかった蟻ゴウを制するように蟻ニイは言った。
「ううん、僕が頑張ったのは蟻ゴウを引き上げる時だけ。あとは蟻ゴウの活躍だよ」
「いいですね。蟻ヨンの声が風に流れていきます」
空を仰ぐように蟻イチが呟いた。
「僕大きくはなりたいけど、こんなに食べられないし、荷物には重いから…ね」
「じゃあ蟻ヨン助けにいっただきまーす」
蟻ゴウは、蟻ヨンの分もぺろりとたいらげた。
「さて、みんな出発だ」
六匹は立ち上がり、列を整えた。
蟻ヨンが作った綱を利用して渡ることにした。
向こう側を登る時は、五匹で蟻ゴウを引き上げた。
「やったー!!!」
「あと少しだ」と蟻ーダ。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶