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ありんこ探検隊

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「あー助かったね」と蟻サンはにこにこしている。
「凄いじゃん。見直したよ、蟻ヨン」と蟻ニイは頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「あ、ありがとう。良かった」と蟻ヨンは顔を真っ赤に染めて俯いた。
「なるほど『蟻の思いも天に登る』ってことですね」と蟻イチ。
「何?なに?蟻イチ。それどういう意味?」
蟻サンは、蟻イチを覗き込むように尋ねた。
「調べなさい。とまあこんな時ですから簡単に言いますと…
小さな力しか持たない蟻ヨンでも、強く念じれば願いどおりになるということです」
蟻イチは、均整のとれた体をより姿勢良く正すと、大きな目玉のエアメガネを持ち上げた。
※(はい。エアメガネとは、無いのにあるように振舞う仕草でメガネをかけているようにみせていたんですね。前シリーズでも登場しました。)
「へえー。本当にそうだったね。それに蟻イチも凄いなー。そんな言葉知っているなんて」
「あ、いや。たまたま『ありんこ大百科』を見ていたときに読んだだけです」
疲れて座りこんでいるみんなに向かい、すくっと蟻ーダは立ち上がった。
「あの丘の上には行けなかったけど、みんなが無事で良かった。ありがとう」
「残念だったねー」
「いや、我々は探検隊だ!もう一度ここを渡り、あの丘に行こう」
みんなは少々不満げに蟻ーダを見上げた。
「だがその前にあの丘を眺めながら女王蟻様に戴いたものを食べて元気になろう」
みんなの顔が一斉に笑顔に変わった。
「賛成!!!!!」
女王蟻様からの戴き物は……
『バニラの香りのクッキーと真っ白な砂糖粒と爽やかな香りのミントの茎』だった。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶