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ありんこ探検隊

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「じゃあ、再び出発だ!隊列を戻せー!」
六匹は足運びも軽やかに歩き始めた。
目指す丘は、緑色に輝き 時折風が吹いているのだろう草が揺らぐのが見えた。
「全体止まれ!」
先頭の蟻ーダが立ち止まった。
「キュル」
「あ、蟻ヨン。ごめんよ」
「大…丈夫」
蟻ゴウが止まるのが遅れ、蟻ヨンは蟻サンの背荷物にぶつかってしまったのだ。
「ぼくの…潰れてないかな。蟻ヨンは…うん潰れていないね」
振り向いてくれた蟻サンに蟻ヨンは照れくさそうに笑った。
「心配要らない…僕は小さいけど元気だよ。ありがと……」
蟻サンは、大きな瞳をより大きくして蟻ヨンを見た。
「驚き!蟻ヨンがいっぱいしゃべった!」
「え……」
「そうだよ。みんな仲間なんだから、恥ずかしがらずにもっと話そうよ。うんよしよし」
蟻サンは、とても楽しそうにひとり納得したように頷いた。
「おーい蟻ーダ、何がどうした?」
蟻ニイが身を乗り出すように前の様子を伺った。
「おお、でっけぇ穴だな」
蟻ーダの前には深い轍が、はるか先まで続いていた。
「これは…。でも、ここを越えて行くしかないな……」
大きなその溝を覗き込むように蟻ーダは思案した。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶