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ありんこ探検隊

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「変ですね」
「ああ、蟻イチもそう思いますか?」
「ええ。天気だってもう心配ないというのに。可笑しいですね……」
その二匹の様子に 蟻ゴウまでも声を潜めた。
「ど・う・し・た・の?」
「蟻ゴウは感じないかい?このいつもと違う様子」
「きっとおなか空いて、巣に帰ったんじゃないのかなー」
「それなら良いのですが……」
蟻イチは、腕組をして考える。
蟻ーダは、みみずおじさんが通って土が盛り上がった場所に駆け上がり背伸びをして
辺りを見回した。

土のひび割れで何かが動いた。
「誰だ?」
蟻ーダは、恐る恐るソレに近づいた。
「わあーごめんなさい。連れて行かないで!」
ひょっこり顔を出したその少年蟻は、怯えていた。
「どうしたの!大丈夫?その子に手を出したら承知しまっ……あっ」
その少年蟻をかばうように飛び出してきたのはなんと蟻ッサだった。
「蟻ッサ?」
「はい。蟻ーダさん。お戻りになられたのですね。良かった」
蟻ッサの黒く大きな眼が潤んだ。
だが、すぐに気持ちを整えるように凛とした態度で話した。
「蟻ーダさん、お兄様、蟻ゴウさんもお疲れ様でした。あの…他の方はご一緒ではないのですか?」
「はい。戻ってきたのは私たち三匹です」
そう言った途端、蟻ッサは口元を両手で押さえ、言ってはいけないことを飲み込んだ。
少年蟻が、蟻ッサと蟻ーダたちとを交互に見てしゃべり出した。
「やられちゃったの?」
「やられちゃった?そう言ったのかい?蟻ッサどういう事?」
蟻イチは、冷静な口調で蟻ッサの所へ近づいた。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶