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ありんこ探検隊

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二匹は、見覚えのあるところまでやってきた。
「お……」
「何?蟻イチ?」
「いえ、私は何も言っていませんよ」
「お……お…い…」
ふと二匹が見上げると、そこには蟻ーダが宙吊りになっていた。
「「あ、蟻ーダ!!」」
蟻ーダは壊れた蜘蛛の巣の糸に足を絡ませていた。
「蟻ーダ、良かった。でもずいぶん飛ばされてきましたね。はは、あ、失礼」
蟻イチは、いつもかっこいい蟻ーダが宙吊り、しかもひっくりかえって もがいている
様子に笑った。
「わ、笑ってないで、下ろしてくれないか。どうにも横糸にかかってしまったらしいんだ」
蜘蛛の糸は、放射状に張った糸には粘着性がないものの、横糸にかかると身動きすらできなくなるのだ。
「あ、待ってて。今ボクが引きちぎってあげるから」
蟻ゴウは、そう言うと蟻ーダに近づいた。
「あ、蟻ゴウ。簡単に触れては駄目だよ。もしキミまで絡まってしまったらどうしようもない」
「え?だって糸だよ」
「コホン!蜘蛛の糸は見た目、弱々しくしなやかで、さっきの雨粒、、あ、ほらあそこについているけど、キラキラ綺麗に見えるよね」
「うん」
「だが、しかーし。あの糸の強度はあの糸と同じ太さの鋼鉄の五倍」
「五倍!?」
「伸縮率、まあ伸び縮みはナイロンの二倍あるんだ」
「へえー、それって凄いの?鋼鉄もナイロンもボク知らないよ」
「ああ…私もどういうものかは見たことないんだ。書物に書いてあったから」
「なんだ。蟻イチは勉強が好きなんだね」
「ものを知ることは、面白いよ。蟻ゴウが食べ物を好きなように」
「蟻ーダが蟻ッサちゃんを好きなように?」
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶