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ありんこ探検隊

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来た道を戻る三匹は、オオクロアリの橋で渡った溝の所まで来た。
「蟻ーダ、あそこを見てください」
蟻イチの指し示す方に一本の橋がかかっていた。
何か棒のようなものがちょうど橋のように落ちていたのだ。
確かに蟻ゴウの言う通りに甘いかおりがした。
「これは、ヒトが食べ落としたもののようですね。アストロリームとか…」
「ははは。頭のいい蟻イチでも知らないことあるんだね。アイスクリーム」
「アイスクリームか…」
蟻イチは少し照れた様子。大きな蟻ゴウが、胸を張って答えた。
「そうだよ。アイスクリーム。食べることはボクの方が得意だね。ははは」
二匹は、さらに大きくみえる蟻ゴウを見上げた。
「…じゃあ蟻ーダ、行きましょう」
蟻イチは、蟻ーダを促し、そちらへ歩き出した。
「あはは、そうだね。蟻イチ…行こう行こう」
蟻ゴウは、鳩に豆鉄砲。蟻に・・・とまあ、歩き出した。

無事に渡りきることができた三匹は、緑の丘を横目に通り過ぎる。
一匹のスズメバチが近づいてきた。
「よお」
蟻ーダは、空からの声に足を止めた。
「あとのヤツはくたばったのか?」
蟻ゴウが、前に出た。
「違うよ。いいトコ見つかったんだ。あ、でもナイショだよ。教えないからね」
蟻イチが、横で心配な顔付きで蟻ゴウのリュックを引っ張った。
「まあいいさ。俺達の所から出て行ったんだ。いいところが見つかって良かったな」
蟻ーダは、その態度に一礼を見せた。
「ありがとう。今から報告に帰るところさ」
「そうかい。おっ!気をつけろよ。あっちの空はやばいぜ。じゃあな」
スズメバチは、飛んでいった。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶