ありんこ探検隊
「ここで ボク達を天敵から守ってくれる蟻さんたちが居て欲しいんだ。
ボク達自身の防御力は強くない。体も柔らかく弱いから…。
あのおっきな蟻くんが『いじめるやつはいないかい?ボクが守ってあげるよ』って
言ってたよね」
蟻ーダは、その胸の足を組み、考える。
きらりと光る目を開けると、蟻イチと蟻ヨンに尋ねる。
「蟻ーダ。迷うことはないと思いますよ」
「はい。僕も…こしょこしょ…思うこしょ…」
蟻ーダは頷くと、アリマキ君に詰め寄った。
「私たちが皆を連れて来るまでココを誰にも渡さないでくれないか」
「いいけど…どうすればいいんだろう?来た蟻は、そんなこと聞いてくれるかな」
「そうですね。ねえ蟻ーダ、誰かをココに残しておくのはどうだろう?」
蟻イチは、エアメガネを持ち上げながら言った。
「…でも…誰がこしょ…るのですか?」
「俺、残ってもいいよ。ここのアリマキさんたちは優しいし…ね」
「ボクもここに居たいけど」
その言葉を遮るように蟻イチが答えた。
「蟻ーダ、私が人選するとすれば、残るのは蟻ニイ、蟻サン、蟻ヨンはどうだろう」
「そうだね。私もそう考えていたところだ。みんなはどう思いますか?」
「賛成!」と四匹が答えるが、蟻ゴウだけが……。
「反対!あ、ボクだけ?…賛成します」
「蟻ゴウ、君の力がきっと必要になると思うんだ。一緒に来てくれないか」
蟻ーダは、優しい眼差しとしっかりした口調で蟻ゴウに話した。
「わかったよ、蟻ーダ。ボクで役に立てるなら頑張ってみる。」
そんな蟻ゴウに蟻ニイが肩を組んできた。
「頑張れよ。頼んだぞ。蟻ゴウ。おーいアリマキさん、こいつを腹いっぱいにしてあげて」
「では、ここでまた会えるように頑張ってください」
腹いっぱいに食べた蟻ゴウを待って、蟻ーダ、蟻イチ、蟻ゴウは出発した。