ありんこ探検隊
「おい、何だよ蟻ゴウ。俺のケツばかり見やがって」
「もしかして、蟻ニイには針があるかもしれないじゃないか」
「そんなものないよ。あるわけないだろ!こいつみたいな蜂じゃないんだから」
「蟻ニイ、それは違います。たまたまわれわれにないだけで、針も毒だって持っている
仲間もいるんですよ」と蟻イチは説明する。
「へえーそうなんだ…なんかかっこいいじゃん」
「ああ、蟻衛門ジィちゃんが昔居たところでシロアリが出たってこと聞いた。
それも仲間なのかー」
蟻サンが言うと、蟻ヨンが背荷物を引っ張って言った。
「蟻サン、シロアリは蟻じゃなくて、ゴキブリの仲間です…こしょこしょ」
「えーそうなの?だってアリっていうのに…アリバチは仲間で、シロアリはゴキブリ
なんて…ぼく、わかんないよー」
「まあ、そういうこった。ハチと蟻、食い物は似てても、暮らし方が変わっちまったんだ」
すると蟻イチは、自信たっぷりに前に出た。
「そんなことはないでしょう。基本的には、キミ達ハチと共通の特徴を持っている。
体だって頭部、胸部、腹部のそれぞれの間がくびれ、似ているじゃないですか。
私達には必要なく発達しなかった針も毒もある蟻仲間もいる。羽だってある仲間もいると聞きます。それに女王蟻様と子孫を残す雄蟻もいるし。私達以外にも仕事を任された働き蟻もいる。社会性を持った昆虫であります」
「おまえは、良く知ってるな。確かに俺達にも女王蜂も働き蜂もいるな」