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忘れていた風景

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「失礼しました……書道を観にいったこともありましたよ。色紙に書かれてあるのは
きれいですね」
「そうですわね。色々あって愉しいわ」
「硯で磨るんですね。墨汁なんて使いませんよね」
「墨液は使ってらっしゃるかたもいます。わたしの場合は墨磨り機を使うことが多いですわ」
「墨磨り機というのがあるんですか」
「ええ、今はそういうものができてますのよ」

        *

絵を持って美里の住まいへ行く日になった。朝六時に起きてサイトの画面を眺めていた。
いくつか日記を読み、コメントを書いた。そのあと、創作広場の「お下げ髪の少女」という小説を読んでみると、昔のことを色々と想い出した。
 読みながら飲みたいと思ったが、酒に酔って美里のところへは行けない。残念だった。
ミニメールがきた。
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード