小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

忘れていた風景

INDEX|68ページ/96ページ|

次のページ前のページ
 

「色だけじゃない。イチョウは緑のときから黄色の色素を持ってるんだよ。秋になると緑の色素が分解して黄色が表面化するわけさ」
「そうなの?モミジの場合は?」
「緑のときのモミジには紅い色素が全くないんだよ。昼間温かくて夜にぐっと冷えると、
アントシアニンという色素ができて、それで紅くなるというわけ」
美里は驚きと喜びを同時にその表情に見せた。
「わあ。植物博士ね」
「ついでに、桜は秋に咲いて驚かせる場合があるだろう」
「たまにそういうニュースを聞くわね」
「桜のつぼみはね、前の年の夏にはできてるんだよ。アブシン酸という物質が開花を抑制して翌年の春まで開花させないようにしているわけ。ところが、天候不順の年にその物質ができないと、秋に咲いてしまってニュースになるんだね」
「いろいろ知ってるのね」
「のぼせて倒れたら大変だ。先に出るよ」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード