小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

忘れていた風景

INDEX|57ページ/96ページ|

次のページ前のページ
 


       
                *

 一般道路を暫く走ってから、高速道路に入った。時刻は午前九時を過ぎたばかり。
「どこに着くのか、少しだけ見えてきた」
「どうかな?意外なところかも」
「そうだ。最終的な場所を決めるのは、つまり、モチーフを決めるのはミーちゃんに任せるよ」
「同じ場所で描きたいの?」
「別々だと寂しいじゃん」
「寂しがり屋なのかな?お父さん」
 沿道の里山に紅や黄色が、秋の陽射しの中で輝き始めていた。
 紅葉スポットを代表するその坂道はコース全体が鮮やかに彩られていた。余りにも見事な場所では、車の速度を落としてその造形美を堪能した。
「あっ!ロープウェイよ!あれに乗ると、きれいな山がたくさん見えるし、滝と湖が一望できて絶景なのよ」
 交通渋滞は噂ほどではなかった。
 周囲約二十五キロ、最大水深百六十三メートルと云われる大きな湖が見えて来た。
「この湖は二万年前だったかな、大昔に山が噴火して、流れ出した溶岩で渓谷がせき止められてできたらしいよ。ヒメマスとか、ニジマスを釣ることができるらしいね。やってみたいなぁ」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード