小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

忘れていた風景

INDEX|37ページ/96ページ|

次のページ前のページ
 


 それでも十一月の爽やかな風は、中野を不機嫌にはしなかった。野良猫が道路わきに置いてある発砲スチロールのトレーの中の餌を食べている。きれいな白と赤毛の猫なので、
飼い猫かも知れないと思った。昔飼っていた猫の名前が「ミー」だったことを、中野は思い出した。それを一刻も早く、美里に話したいと思った。

       *

 指定された駅の自動改札の傍に、彼女が嬉しそうな顔で立っていた。
「少し遅れたかな?電車は乗り換えが面倒だね」
 中野は緊張しているような面持ちで云った。
「クリーム色のガーリーなワンピースに茶系ニットのカーディガン、エスニック柄のレギンスで大人可愛いくまとめてみました」
 そう云うと、美里は笑顔のままその場でぐるっと回って見せた。中野は美里が自分の服装を解説したらしいことは判ったが、半分以上は解らない用語だった。
「何よぅ。親子ごっこをしようと思ったのに、ペアルックみたいじゃない」
「親子ごっこだって?だけど、こっちは殆どノーマネーだからねぇ」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード