忘れていた風景
黄色い服の女性。明るい笑顔が印象的だ。細身で、背が高そうだった。
「ユウこと、裕子です。バツイチですけど、よろしくね」
ショッキングピンクのサマーセーターと白いスカート。幾らか太めの女性だった。優しい性格を想像させた。
「神風でごわす。鹿児島生まれですが、二十年前に移住してきました」
眉の太さが、夢に見そう。
「たくちゃんの名前はタクミさん?タクゾウさん?」
そう尋ねたのは、ミーちゃんだった。
「清です。タクシーが仕事です。清潔の清で名が体を表して……」
誰も笑わなかった。
「わたしは美里でミーちゃん。美しい里ということで名が体を表してないかな?」
「ミーちゃんも初めてですね。絵を観るのが好きなんですよね」
と、カリスマボーイ氏。
「観るのは好きですけど、描くのも好きなんです」
「じゃあ、たくちゃんと一緒だ」