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忘れていた風景

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「何度か怪我をしたこともあるらしいので、心配していたんですが、突然消えました」
「事故った?」
「判りません。真相は当人に聞くしかないので、画面から消えたらそれまでです」
「パソコンサイトの、最も哀しい一面ね」
「本当にそうですね。文字だけのつき合いですが、殆ど親友みたいな気持になっているのに、或る日突然消え去ってしまう……色々な人がいますね。サイトには」
「著作権の侵害だから、マイフレ以外のひとは勝手にわたしの日記を読まないで!という人がいたわ」
「いきなり伝言で罵詈雑言ということがありました。全く知らない人からです」
「全然知らない人からアクセスブロックとか」
「俳句が一位になったから、目標達成しました、退会します。そういう人もいました」
「会員が二十一万人ですものね。どんな人がいてもおかしくないわけね」
「今日感じたことは、日記を読むと変人かな?と思う場合も、会ってみれば普通のいいひとじゃないか、ということですね」
「わたしはどう思われていたのかしら」
「性格が結構きつい女だな、なんて思ってました。でも、会ってみたらなかなか可愛い……」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード