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忘れていた風景

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「サイトのひとの日記に『ドジ炸裂シリーズ』ってあったでしょう」
 ミーちゃんは興奮気味に云った。
「……ああ、あれね。私も読んでました」
「本当?わたしも読んでたの」
「満員電車の網棚でアイポッドが鳴り出して、その曲が『踊るぽんぽこりん』だったとか」
「息子さんのアイポッドをお母さんが、間違えて持って会社に行ったのよね!」
「そうでした。面白かったなぁ。真似して書いたこともありますが、本家にはかなわなかった。あのひと、マイフレだったんです」
「そうなんですか?ということは、今は?」
「退会しちゃったんですよ。仕事が忙しくなったとかで」
「そうなの?残念。ほかに面白い人は?」
「面白いというか、印象に残っている人はたくさんいますよ」
「たとえば?」
「プロ野球ファンでね、いつも野球場で観戦しているという女性のマイフレンドがいました」
「プロ野球?行ってみると何でもそれなりに面白いのよね」
「そういうものですね。その女性は雪国で新聞配達をしているという女性でした。バイクでね」
「雪道は滑るでしょう。大変ね」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード