小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

忘れていた風景

INDEX|24ページ/96ページ|

次のページ前のページ
 

想い出


女性と手を繋いで歩くのは二十年振りだと、中野は思いそうになった。だが、三年前に出会い系の女性と手を繋いで歩いたような気がする。飲み過ぎて中野もミーちゃんもふらふらしていた。中野は久し振りにいい気分だった。
 爽やかな風が吹いている。中野はミーちゃんと手を繋いで安曇野の広域農道を歩いている。畑の片隅にある狭い墓地の中に入って行く。柄杓で墓石の一つに水をかけた。
「はい。中生をおふたつ」そう、聞こえた。墓地で生ビール?おかしいと思いながらもミーちゃんと乾杯した。夢だと判っていた。
 眼を開けるとそこは、静かな居酒屋だった。眼が覚めてもまだ夢を見ている感じ。まだ眠っているミーちゃんと手を繋いだままだった。
「ミーちゃん。起きてください」
「……えー?……ここは?」
「居酒屋みたいです」
「……居酒屋?……なんで?……あっ!本当だ。居酒屋」
「かなり酔っていたんですね。駅へ行かずにこんなところに迷い込んで……」
「ドジね。わたしたち」
「ドジ炸裂ですね」
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード