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忘れていた風景

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 中野は間もなく里子が勤めていた会社に、版下見習いとして就職した。版下というのは印刷原稿を作成する仕事で、写真植字の次の工程である。それができ上がると製版、オフセット印刷と進む。
 そこで働いていて、やがて判ったことは、彼女が健康上の問題で退職したということだった。
 しかし、里子の叔母の家も彼女の生家の場所も判らなかった。
 その翌年、中野は安曇野へ原島里子の生家の場所を突きとめるべく出かけた。だが、それは広大な砂漠の中で探し物をするような、無謀な行為だった。
 行ってみると副産物があった。安曇野というところには、魅力的な自然と風景があった。
それ以来、彼は何度もそこへ行って絵を描くようになったのだった。
 オフ会のメインの画廊めぐりとして、最初の画廊に八人が入って行った。そこは中野と里子が昔働いた会社の近くだった。
 中野の胸に痛みが生じた。
 その近くには区立の社会教育会館がある。そこの中で絵画教室があり、中野は毎週通ったことを思い出した。
作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード