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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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「結界…か?」
阿修羅が部屋を見渡し呟いく
そしてふと薄暗い部屋がほんのり明るくなっているのに気づいた
「緊那羅…?」
緊那羅の手の中から発せられる光がさっきより強くなっている
「竜の宝珠…が…」


「なまいき」
白い布を纏った人物が口元に笑みを浮かべ手を翳すと足元から出ていた黒いものがゼンゴ目掛けて襲いかかってきた
まるで意思を持っているかのように避けるゼンゴを追いかける

ガガガガガガッ!!

と地走る黒いものが砕けた地面を巻き上げる
「っ…加減ということを知らないから…なっ」
清浄が慧光を庇いながら白い布を纏った人物を見ると相変わらず笑む口元
清浄の顔が歪んだ
「ゼン! ゴ!!」
慧光が叫ぶとはっとして清浄がゼンゴを探す
くるっと宙返りしたゼンが黒いもののひとつに蹴りをかまし身を屈めたゴの上を黒いものがゼン目掛けてぐんっと上がった
「っんの…!」
蹴りをかました黒いものを踏みつけてゼンが高く飛び上がると黒いものもまたスピードを上げゼンを追いかける
「ゼン!!」
地面を蹴って飛び上がったゴの爪が黒いものを裂いた「さんきゅなんだやな」
タタンっと黒いものを渡り地面に着地したゼンがニカッと笑い礼を言う
ゴが裂いた黒いものが苦しそうに蠢き出す
「やった…ナリか…?」
清浄の背に庇われていた慧光が言うと清浄が笑う
「そう簡単にはいかないさ」
バッと下に向けて腕を下ろした清浄の袖口から巻物が現れた
「十二支!!」
勝手に巻物がほどけ光る
「…また邪魔するのか…清浄」
白い布を纏った人物の口元から笑みが消えた