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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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沿岸沿いを歩いていると聞き覚えのある声が数人分混ざって聞こえた
「…お…いたいた」
ひょいと防波堤から下を覗き込むとバスタオルやら浮き輪やらが磯舟の上に置かれていた
海の方を見ると数人の子供がはしゃいでいる
その中にはいない京助の姿を探していると一番端の磯舟のところに二人の子供の姿
「…いたし…」
溜息をつくと防波堤から飛び降りて簡易港の坂を京助の元へと歩いていく
「…あれ…? ここら辺のヤツじゃ…彼女か?」
京助の隣には見たことの無い女の子の姿があった
「いっくは俺より背高いから大丈夫だよ」
「ちゃんと準備体操しなきゃ駄目だよ京助もそっちの子も」
初対面の子ということでいつもより少し優しめに声をかける
振り向いた京助の顔がぱぁっと笑顔になった
「操ちゃん!!」
名前を呼んで駆け寄ってくる京助になぜか顔がほころぶ
「来てくれたんだー!!」
京助が操の手を掴んで引っ張る
「一応ね小学生だけじゃ危ないって言うもんだから…こんにちは」
「こ…んにちは」
操がここら辺の子じゃない女の子に笑顔で挨拶をすると顔を赤くして小さく返してくれた
「あー!! 操だー!!!」
海の方から名前を叫ばれて操が顔を上げた
「準備体操はしたのか----------------!!」
操が大きめの声で言うと海の課\中の数人が両手で頭の上にマルを作った
「ねーねー!! 操ちゃんもおよぐんだろ? な?」
掴んでいた操の手をブンブンふって京助が見上げ聞いてくる
その少し後ろの方でもじもじとしながらコチラを見ているここらへんのヤツじゃない子チラっと目に入った
「お前なぁ…その子お前の友達なんだろ? だったらちゃんと遊んでやりなよ」
操が京助の頭を撫でながら言うとここら辺のヤツヤツじゃない子が顔を上げた
「じゃー操ちゃんも一緒!」
「あのなぁ;」
ぐいっと手を引っ張られて麦藁帽子がずり落ち色素の薄い髪が浜風に舞う
「男?」
長髪でしかも金髪に見えたせいなのか思わず口に出してしまったらしいその子を操と京助が見た
「そうだよ」
引きつった苦笑いで応えながら操が落ちた帽子を拾いまた頭に載せた
「外人みたい」
「よく言われるけど日本人、コイツのイトコ…中学三年生の14歳」
京助の頭をグシャグシャと撫でて言うと京助が嬉しそうにでも半分嫌そうに操の手を払う
「さ、準備運動しろよ?」
「はぁい」
カモメがミャーミャーとうるさい位に鳴いた