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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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     『あのときの阿修羅って…本当名前のまんまだったって…』

修羅って言葉
意味はよくわからないけど雰囲気ならなんとなくわかって
その修羅が付いている阿修羅という人物がそこにいた
誰もが言葉を失うほどの威圧感
短かった髪が長く伸び生ぬるい風にゆっくりと揺らされていた
降り続く小雨までもが阿修羅をよけて降っているように見える
「…やっとお目にかかれるんだな…」
髪についているみょんみょんから宝珠をひとつむしりとるとそれを何もないところに向かいかざした
「どんだけ…待ったんかの…てめぇにお目にかかれるんを」
ニィっと阿修羅の口の端が持ち上がる
背筋が凍りつくような感覚に緊那羅が思わず京助の服をつかんだ
京助も三馬鹿もただたったまま動こうとせず
「ほやぁああああああ!!」
ちみっこ竜の泣き声とメキメキという音だけが聞こえる世界
「…阿修羅…」
乾闥婆が顔を背ける
「今、殺してやるからの…ッ!!!」
カッと目を見開いた阿修羅のかざしていた宝珠から光があふれ爆発した
爆発した光が風を生み爆風となって栄野家一体を包み込んだ
「うぉおおおおお!!;」
「ひょー!!;」
「伏せるっちゃみんなッ;」
緊那羅の声にまるで地震避難訓練時のような尻を高く上げた体勢で床に伏せる
ビリビリとした振動とゴウゴウという風の音と舞台を照らすライトを直で当てたような光
「乾闥婆!」
迦楼羅が乾闥婆を押し倒し庇う様に覆い被さった
「か…」
迦楼羅の無駄に長くばさばさした服が爆風に押されて持っていかれそうになっている
爆風で飛ばされた小石やらなんやらがそこらじゅうにあたって音を出しているが爆風の音でかき消されてひとつも聞こえない
乾闥婆が力いっぱいこめて泣きながら叫んだものも爆風にかき消された

ドォオオオン…!!!!!!