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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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「ふん…弱いくせに…」
上が鼻で笑うとまた足元から黒い物体が生まれ清浄達めがけて襲い掛かってくる
慧光の蓮の花の光と清浄の十二支使役の光が絡み合ってそれに向かっていくとゼンゴもそれに平衡して駆け飛び上がった
「ギュィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」
黒い物体が威嚇するかのようにだした泣き声ともとらえられる音
地面が揺れているように感じるその音の大きさに思わず涙ぐんだ慧光があおの涙を飲み込みキッと上を見た
「慧喜を…慧喜をかえせぇえええッ!!!!」
途端大きくなった蓮の花からでる光があたりを包み込む
「…生意気…なんだよ…弱いくせに弱いくせに怖いくせに!!」
慧光に負けないくらいの声量で上が声を張り上げると上の回りに宝珠と思われる色とりどりの玉が現れた
「まずいな…」
清浄が苦い顔をして上を見る
「僕様の…」
さっきまで少年の声だった上の声がだんだんと低音になっていく
「僕様の邪魔を…」
宝珠たちが光を放ち上の姿を隠す
「まぶしいんだやなッ;」
「何なんだやなッ;」
くるんと宙返りをして着地したゼンゴが宝珠の放つ光のまぶしさに着物で顔を覆った
「しょ…うじょう何なんナリ? これ…ッ」
まぶしさに顔をしかめながら慧光が聞く
「…上が…帝羅(てら)様が本気になったみたいだ」
まぶしさの中心を目を細めて清浄が睨んだ