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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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「…緊那羅? もうい…」
振り返ろうとした阿修羅が眩しさに顔をしかめた
「京助!?」
「阿修羅…これ…っ」
「ちょ…まっ…何したんきに緊那羅!!」
目がやっと開けていられる位の眩しい光
それは京助から生まれていた
「えっや…別に…」
緊那羅が顔を赤くして俯く
「とにかく…今なら京助が助かる…!!」
阿修羅がニッとわらった


「…!」
制多迦が何かに気付きはっとして顔を上げ矜羯羅と同時に頷いた
「乾闥婆行くぞ」
「え…どこにですか?」
迦楼羅が立ち上がる
「君はいかない方がいい」
「…こは僕らが」
戸口に立った制多迦と矜羯羅が迦楼羅に向かい言う
「なしたん何?」
南が矜羯羅を見上げた
「…ょうすけが起きる」
「マジで!?」
三馬鹿が制多迦に向けてハモると制多迦がヘラリと笑う
「だから僕達が行って力を与えてくる…」
矜羯羅が戸を開けた
「…るらは来ちゃ駄目だよ」
「なっ…何故だッ!!」
「それは君が一番わかっているはずだろ」
「…っ」
迦楼羅が口ごもり顔をそらした
その隣で乾闥婆が俯く
「乾闥婆…?」
烏倶婆迦がそんな乾闥婆の顔を覗き込み名前を呼んだ眉を下げた笑顔を乾闥婆が返す
「乾闥婆…おいちゃん乾闥婆の笑った顔好きだよ? でもそんな笑顔おいちゃん…」
「…すいません」
烏倶婆迦の頭を撫でた乾闥婆が制多迦と矜羯羅を見上げた
「…お願いします」
「…ん」
制多迦がへらっと笑って頷いた

ガガガガッ

黒い物体が容赦なくゼンゴに襲いかかる
ギリギリでかわして体制を建て直すとまた黒い物体に向かっていく2人
体の至るところが傷付き汚れていた
「…慧光出番じゃないのかい? 泣いてばかりじゃ大事なもの涙で流すことになるぞ」
「私…」
清浄の少し後ろ側でただ泣き顔でいた慧光が立ち上がる
「慧喜…」
慧光が両手を前に出すと手のひらから生まれた優しい光が空に舞い上がりゼンゴの回りに集まった
「なんなんだやな?」
「これ…っ傷が消えたんだやな!!」
ふわりと光が触れるとそこにあった傷がすぅっと消えていく
「私は弱いナリ…泣いてばっかりでいつも慧喜の後ろにいたナリ…」
慧光が腕を下ろす
清浄が慧光の隣に立ち白い布の人物を睨んだ
「そうか…慧光お前まで僕様に…わかったよ…」
白い布の人物の口の端がゆっくりと持ち上がった