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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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京助の喉から上の手が離され操が京助を腕の中に納めた
「けほっ…み…」
「俺なんか庇うからだあほ…大丈夫か?」
京助の首にくっきりついた上の手の跡をみて操が眉を下げる
「ありがとな…京助」
操が麦わら帽子の下にしていたタオルを京助の首に優しく巻いて頭を撫でた
「…どうして僕様の邪魔ばっかりするんだ…前の時の時も…」
「別に邪魔してねぇだろわけわかんねぇことばっかいってんのそっちじゃん」
京助を立たせもう一人の子も立たせると操が再び上と向き合う

「もういい…」

「上」
ぎりっと上が歯を噛み締めると柴田が上の肩を掴んだ
「うるさい」
バチッと光が弾け柴田が手を離す
「もういい! もういい!! もういい!! …今回の時は無かったことにする次がある」
「上!!」
柴田の服が一瞬にして摩訶不思議服へと変わった
「…へんなふく…」
こんなときでも子供は正直なもので京助がぼそっと突っ込む
ぶっと操が吹き出して顔を背け声を出さずに肩を震わせて笑う
「……」
上の肩を掴んだまま柴田…もとい清浄が複雑そうな顔でその様子を見ていた
「…どうして笑ってる…?」
上が呟くとはっとして操が顔を向ける
しかし清浄を視界に入れた途端にまた吹き出した
「…操君」
声なく笑う操を見てきょとんとしている京助ともう一人の子
苦笑いの清浄はただ黙って操を見ている
「…本当に僕様のことは…怖くないのか…?」
上が操をみて呟くとゆっくりと歩き出した
そして操のすぐ側で止まると操の髪をぐいっと引っ張った
「操ちゃん!!」
京助が叫ぶと操が手を京助の前に出す
「…何回いやぁいいんだよ; 怖くねぇっつてんじゃん」
髪をつかむ上の手を掴み操が言うと上の手の力が弱まった
「…そうか…怖く…ないから歯向かうんだお前は」
上の口元が微かに緩み微笑む
「名はなんと言う」
「操」
操が応えると上の口元が完全に微笑んだ
「僕様のものだ」
「は?」
「上!!」
清浄が上の肩を掴むと上がそれを払い操の額に指を二本当てた
「な…」
何ががなんだかわからない操が動きを止める
「いけません上!」
「うるさい!!」

バチィッ!!

上が清浄に向けて怒鳴ると電気のようなものが弾け清浄が離れる
「お前…」
「操だっつーん」
再び操と向き合った上が二本の指にくっと力を込めた
白い布からちらりと見えた黒い宝石のような丸い飾りがキラリと光る
「操ちゃん!!」
「だあっ!?」
それを見た京助が操を思い切り突き飛ばした
「お前…っ」
「操ちゃんにさわるなっ!!」
京助が怒鳴る
「うるさい!! 僕様に歯向かうな!!」
「上!」
「京助!!」
上の手が上がると操と清浄の声もあがった