小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

RED+DATE+BOOK02

INDEX|3ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

七三眼鏡で超ダサいカッコで現れた転校生。

俺が直々この学校の事を教えてやるって言うのにアイツ事もあろうが俺の所殴りやがった!

そしてそのまま逃走。

二回目に会ったのはついさっきだ。

ずぶ濡れになってよたよたと青木春に連れられてきた。

どうせ、俺のファンか綾瀬、青木のうちの誰かがやったのだろうと思った。

俺を殴ったからだ、と腹の中で卑下もした。

可哀想だとも思わなかった。

こんな事はしょっちゅう見てきたからかもしれない。

その姿は滑稽だった。

周りの大多数がしたように俺もソイツを嗤った。

噴水に頭を突っ込んだときはとうとう馬鹿になったのかと思った、しかし。

しかしソイツはただ、本当の姿になっただけだった。

緑の髪と新緑の瞳。

強い眼差しと存在感。

さなぎから出てきた蝶のように美しく獅子のように凛々しかった。

全細胞が一瞬で目の前のヤツを渇望した。

・・・まぁ、そいつは俺のファンや特定のだれか、そして俺にまで説教をして戻っていったが。

その後1-2教室を訪ねたがソイツは既に帰っていた。

「重症みたいだね~。」

加賀はハーブティーを優雅にすすりながら面白そうに俺を見た。

「手・・・だすなよ。」

「さぁね・・・葵が興味を持った人間なんでしょ?俺だって興味あるよ。」

冗談で言ってるみてぇだけど眼がそうは言ってない。

「ふふ・・・楽しみだよね。」

「・・・・・・・・・・。」

おもしろい。

絶対アイツを俺の物にしてやる。
















「あ。桐生さん悪いんだけどコンビニよってもいい?」

「コンビニですか?」

「うん。俺プリン買いたい。」

実は俺、男のくせに甘いもの超好きなんです。

ケーキもアイスもチョコレートも大好きなんです。

だけど男がこんなことおおっぴろげに言うのもどうかと思うし。

「プリンですか・・・。」

「うん。ダメ?」

「私がお作りしますよ。」

「へ?」

「既製品よりはよく出来ると思いますが。」

や。俺が心配してるのはそんなことじゃなくて。

「桐生さんって・・・お菓子作れるの?」

俺がキョトンとした顔で聞くと桐生さんはええ。と頷いた。

「マジで!?すっげー!!じゃ・・・ケーキとかも作れたりすんの?」

「ええ。和洋中、簡単なものなら作れます。」

「和洋中・・・。」

それってご飯もって事だよね。

「もしかして・・・今日のお弁当桐生さんが作ってくれたりした?」

「お口に合いませんでしたか?」

「ううん!!めっちゃすげー美味しかった!!高いお弁当かと思った!!」

彩りも綺麗だったし味だって五つ星だったぜ。

「ふふ・・・ありがとうございます。」

「いや、俺がお礼言うほうなので。・・・桐生さんって自分家で弁当作ってんの?」

「いえ・・・あのお気づきになりませんでしたか?私、篠宮家に住まわせて頂いてるんですよ。」

「えっ!?俺ん家!?」

嘘!!そりゃあこっちに来てから一週間も経ってねぇけどさ。

「はい。亮君の運転手兼、篠宮家にお仕えする見習いとして働かせても頂いてます。」

「なんだ~。じゃあ桐生さん玄関で俺のところ降ろしてから家に入ってたんだ?」

俺もあの家がでか過ぎてまだ行った事ない所いっぱいあるしな。

てか・・・自分の部屋とじーちゃんとばーちゃんがいる居間しか行ってない。

「ええ。駐車場まで少し距離がありますからね。」

「じゃあ今日からは俺も駐車場で降りるよ。」

「え?何故ですか?」

「なぜって・・・。一緒に降りた方が良くない?シャッターとか上げたり閉めたり。」

「車庫のシャッターは自動操作です。」

「・・・・・・・。」

俺、ハズいーーーーー!!!!

えええ!?庶民丸出しってヤツ!?

俺が真っ赤になって下を向いていると桐生さんはやはり笑っていた。

「・・・庶民なんで・・・。」

「いえいえ・・・。失礼しました。御気を悪くしたら申し訳ございません。」

「別に・・・全然気にしてないよ。」

恥ずかしいだけですから。

「では・・・今日だけ一緒に降りましょうか?」

「今日だけ?」

「玄関まで本当に距離があるんですよ。お疲れの身体じゃあ大変です。」

「いいよ。体力作りだと思うからさ。てか・・・3キロとかそういうんじゃないよね?」

3キロはちょっときついなぁ・・・。

「せいぜい500メートルくらいですよ。」

「なら丁度いい!あ。桐生さんはこの後お仕事なの?」

「いえ・・・今日はありませんが。」

「じゃあ・・・もし良かったら家の案内頼めないかな?ばーちゃんたちに頼むのはちょっと・・・。」

だからって一人で歩いたら絶対迷子になるし!

「喜んでお引き受けしますよ。」

「ありがとう!」

そして俺はもっと篠宮家の凄さにビビる事になった。

「お前・・・齋藤亮か?」

「うす。柏木先生おはよーございます。」

次の日。

俺の担任柏木一郎は面白いほど眼を大きくして俺を見ていた。

他のやつらも先生の驚きようにウケている。

カミングアウト2日目。

俺は昨日ほどの悪意の眼差しを向けられるような事はなかったもの今度は好奇の眼で見られるようにな

った。

今となっちゃ全身緑。

今日の午後に篠宮の制服が届くらしいからこの明星の制服も着収めだ。

でもこの上着だけは大事に大事に取っておく。

桐生さんに預けたら綺麗にシミもなくなっていた。

「ずいぶん・・・変わったんだな。」

「イメチェンです。」

「ぎゃはははは!!」

うん。ノリがいいクラスは大好きだ。

只・・・なんつーか朝っぱらからセクハラまがいな行動は止めてほしいよな。

いきなり抱きついてきたりして・・・まぁ、じゅんペーが助けてくれたから別にいいんだけど。

あやうく殴るところだったし。

俺はちょっと・・・っていうか大分、手や足が出ちゃうことが多いから気をつけないといけない。

中学に入る頃にもやんちゃをしてるから特にだ。

だけど身を守るには何やってもいいって桜先輩言ってたし。

そういやぁ、昨日、カイチョーが訪ねてきたらしいんだけど用は何だったんだろう?

もしかして逆らったからリンチとか?それともあの時殴ったこと根にもってたりして。

つか・・・どうしよう俺謝ってすらいねぇ。

いや・・・でもあの人とは高確率で会ってるから俺が思案しなくてもそのうちには会えるよな。

見かけたら謝るだけ謝って逃げよう。

だってファンの方々恐ろしいから☆

また水なんてかけられちゃあ嫌だし。

授業が始まり俺は黒板を見た。

や。多分大丈夫ついていけそう。

真新しい教科書にマーカーで線を引きながら今日はバレーやりたいな、と思った。

「腹減った。」

本日俺は、桐生さんに作ってもらったお弁当を持って学食へ。

春と楓は学食通いらしくて流石に俺に合わせて毎日パンなんてしんどいし、それなら俺が移動したほう

がいいってね。

「ねぇ・・・亮、ソレ一人で食べるんだよね?」

楓が見る先は俺の弁当。

四段重ねの重箱よりちょっと小さいサイズ。

「え?うん。」
作品名:RED+DATE+BOOK02 作家名:笹色紅