追伸
警察が自殺か他殺か判定できないでいるのは、あんなに長かった髪の毛が見事に刈られ、丸坊主に近い状態で発見されたから、らしい……。
TVではどうやら変質者の犯行と判断しているみたいだ。
耕介は心の中でセーターを売り払う決心をした。
そして何かのコンクールにでも出そうかなどとも考えた。
そして、電話を整理された机の上に置き、セーターを脱いだ……。
確かに脱いだ筈だったが、何か糸のようなモノがセーターから耕介の身体に数本、巻き付いたまま伸びていた。
ソレに気が付いた耕介は、何だろう、とその黒い糸を外そうとすると……。
外そうとした糸の数百倍、数千倍の量の糸が、追い縋るように耕介の身体に向かって伸びてきた!
それは人間の毛髪だった。
三浦乃子の髪の毛と思われるソレは耕介の上半身だけでなく、腰にも、足にも、顔にまで伸びて来て、さらにズルズルと深く幾重にも巻き付いた。
「うわあ!!何だこりゃあ!」
『どうしたの!?耕介!!何っ???』
思わずあげた悲鳴に電話の向うの仁美が声を掛ける。