追伸
『何言ってんのよ!TV見てないの?三浦乃子が死んだんだって?!』
『……。』
耕介には一瞬、相手が何を言ってるのか判らなかった。
半信半疑で部屋のTVのスイッチを入れる。
丁度事件を取り上げているワイドショーの映像が映し出された。
女子高校生、変死!?画面には強烈な字体でショッキングな文字が出ている。
死因はどうやら川での水死の様だ。
『まさか耕介が殺したとか……?』
実はかなり長い付き合いの仁美であったが、耕介の行動についてはそれ程信用していないのかも知れない。
「バカ言うなよぉ!今だってこうして乃子が送ってきたセーターを……」
『何やってんの、あんた!?まさかそんなモノ着てるんじゃ無いでしょうね?』
単に悔しいのか、耕介の行動が理解できないのか、仁美は電話の向うで怒鳴っているみたいだ。
「イヤ、直ぐに脱ぐよ。キモチ悪いしな」
「でもさぁ、コレ売れるかも知れないんだぜ。去年、何かのコンクールに出品したら、何だかの賞を貰った上に十数万円で売って欲しいとか言われて儲かったなんて言ってたし。コイツもまあ、入魂の一作ってカンジだから、もしかするとソレ以上かも知れないゼ!」