ありんこ探偵団
公園に入るやいなや、蟻2が列を離れ、みんなを追い越した。
「なんだよ。もうすっかり木の葉なんてないじゃないか」
みんなは、頭上高くの生い茂る緑を見上げた。
「さあ、みんな腰を下ろしましょう」
蟻―ダの号令でそれぞれにわずかに落ちている葉の上に乗っかった。
すると、蟻3がいつもになく、慌てて言った。
「あ、あの、蟻4が居ないんですけど、たぶん今の風で…」
そうです。みんながそれぞれに席に…葉の上に乗った途端、柔らかな風が吹いたのです。
「あ!あそこです」
蟻1が、示す方に小さな裏返った葉が、もぞもぞ動いたのです。
蟻−ダは、すぐに駆け寄り、裏返った葉を戻そうとしました。
「ううーーん」
「ボクに任せなよ」
そういうと、蟻5がひょいっと葉を持ち上げた。その隙間から小さな蟻4が這い出てきた。
「あり・・がと・蟻5・・・」
蚊の鳴くような?声で礼を言う蟻4とその葉を引っ張って蟻5は元の場所に戻った。
そして、葉を自分の隣に置くとその端を少し踏んづけて座った。
「もう、大丈夫だ。さあ」
「あり・・がと・蟻5・今度おやつ分けてあげるね・・」
「何言っているんだ。しっかり食べて大きくならないと、また飛ばされるぞ」
蟻5は、大きな声で笑った。
横で蟻4は俯いて、赤くなっていた。