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扉を開けたメール

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 いつものイカと玉ねぎの炒めものを花山が作り、ふたりの男たちは水割りを飲みながら盛り上がった。
「正子はね、今でこそ梅干しばばあの一歩手前だけどね、若いころは結構器量よしで、今で云えばミスなんとか、と云われるくらいの評判のお嬢様だったんだよ」
「そうでしょうね。今度、その頃の写真でも見せて頂きましょうか」
「噂をすれば何とやらだね、昔のお嬢様が風呂から出て来たぞ」
「ねえねえ!奇跡だわ!驚いたの何のって!」
 風呂場から戻ったパジャマ姿のふたりは血相を変えていた。晩酌組もその表情を見てただならぬものを感じた。
「何が奇跡なんだ。驚かすんじゃないよ」
「だってね、この子、本物の華奈ちゃんなのよ。わたしたちの本物の孫の、華奈だったのよ。お風呂に入ったら証拠がみつかったのよ!」

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