扉を開けたメール
「陶芸ですか。陶芸とは、粘土に造形を凝らしてこれを高温の窯で焼成することにより
陶磁器をつくる技術のことです。造形方法はろくろの上に粘土を置き、回しながら両手で皿や壷などを作るほかにろくろを使わない手びねりという技法や、型を使う場合もあります」
「一見簡単そうに見えますが、難しいんでしょうね」
「最初は失敗します。しかし、それを失敗と思わずにステップだと考えてください。ステップを何段も、何段も踏みしめて昇った先に芸術というものがあります」
「頑張ります。よろしくお願いします」
花山の表情は真剣だった。穂高は優しい笑みを浮かべた。花山はビールを持って間島の席へ行った。
「ビールじゃないんだな。日本酒か」
「二次会はどうしようか?」
「そうだな。盛り上がる場所だよ」
「踊れるところか」
「ミーちゃん!踊れるライブハウス。
近くにありますか?」
知っていそうな雰囲気だった。
「……はい。ありますよ。あとでご案内します」
花山が穂高の隣の席に戻ると、ともみが花山の隣にきた。
「華奈ちゃん。穂高さんに挨拶した?」