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扉を開けたメール

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グラスにビールが注がれた。
「まあね。給料がどの程度か、それも不安だな。受け取ってみないとわからないから……」
「昨日かな?若い女から電話がかかったんだ」
 間島は急に話題を変えた。
「読まれた気がするね。こっちはメール」
「あやさんって、誰だっけ」
「こっちもその関連の、多分、女性だよ。誰だろう」
「発信元は同じみたいだなぁ。不気味だよ」
「で、どうしたの?」
「ヤクザがらみだったら怖いからね、二度と電話するなって、怒鳴ってやったよ。
すみません。もう一本」
「そんなにいいのに……売春とか、そういう類を想像したんだ」
「ヤバいことには関わりたくないからね」
「メールの感じはそうでもなかったよ。見る?何回もきたよ」
 ビールの礼を兼ねてのサービスのつもりだ。
「……だからさ。関わりたくないんだ」
「……そうか。ごめんね」
「……美香ちゃんと、デートだよ。次の日曜日」
「現役大学生のひとだったね。ついにデートか。おめでとう」
「写真見せたよね。あっ、また新しいの撮ったんだ」
 即、携帯電話を出して間島は画面を見せた。ブラジル料理の大きな肉の串刺しを持って、
美香という娘が笑っている。花山もその写真の娘には関心があった。素直そうだし、面白いことを云いそうな気がする。
「あっ。この前の店で撮ったんだね。いつ?」
作品名:扉を開けたメール 作家名:マナーモード