扉を開けたメール
友里は従業員を呼んだ。
「友里さんの理想の男性は?」
「それは勿論、福山雅治よ」
花山は届けられた酒を半分飲んだ。
「ぼくは彼に似ているって、云われたことがあります」
刺身の盛り合わせがきた。
「そうかな。まあ、そういうことにしておこうかな」
花山は鮪の刺身を口に入れた。
「冗談ですよ」
友里はひとくちステーキを美味そうに食べる。
「でもね、どことなく似てる……」
隣で学生風の一気飲みが始まった。かなり騒々しい。
「そうですか成りきっていると、似てくるのかな?……そこの学生諸君。もう少し控えめに頼むよ」
若者たちは花山に謝った。
友里は微笑みながらアサリの酒蒸しに手を伸ばす。
「……そういう問題?」
笑顔で云った。
「無理ですか。じゃあ反省します」