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扉を開けたメール

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「デコちゃんです。デコちゃんは女性?」
 花山はそれを見てまた笑った。慶喜という自分の名前からデコレーションケーキを連想し、そこから無理やりデコちゃんというハンドルネームを考えたのである。
「男性です。ところで、メールより電話で話すことは考えなかったのでしょうか」
「何人かに電話したら、或る人から、これは、あやさんの電話だね、と云われました。
わたしは咄嗟に考えてそうですと答えました。そして、あやさんの娘ですとも答えました。
すると、ふざけるな、拾った電話で悪戯をするな。と、叱られてしまいました。あやさんには娘がいないそうです。電話は懲りてしまいました」
「あやさん」と聞いても、花山に心当りがなかった。いつの間にか午後十一時を過ぎていた。彼は転職したばかりで疲れていた。
「明日の仕事に影響するのでもう寝ます。メールのやりとりは午後七時からにしてください。おやすみなさい」
「ご迷惑をおかけしました。おやすみなさい」
花山はもう一本、発泡酒を飲みながら、パソコンでチャットのサイトのやり取りを眺めてから眠りについた。
 花山は夢の中で両腕を上下にばたばたやっている。すると、五十センチほど、宙に浮いた。何度みても面白い夢だ。腕の動きを止めると、徐々に降下した。頑張ろうという気持ちになって再チャレンジ。また、浮いた。更に頑張った。どんどん上昇を始めた。いい気持ちだ。必死でもっと頑張ってみると、二階建ての家の屋根まで昇ることができた。
 更に上昇して行くと、三階建ての家の向こうに天使が現れた。背中の白い羽が陽射しを浴びて輝いている。顔が可愛い。年齢は二十歳くらいだろうか。美少女の天使と共に、花山は空を飛ぶことができた。嬉しい。夢中で飛んでいると、夜になった。星がきれいだった。ダイヤモンドのように輝く星で花山は指輪を作った。それを天使にプレゼントした。
「デコちゃんありがとう」天使は笑顔でそう云った。
作品名:扉を開けたメール 作家名:マナーモード