扉を開けたメール
ともみの髪は、それでも背中の中ほどまでの長い髪である。着ているものは白いワンピースで、可憐な印象だ。
「頭が凄く軽くなって、いい気持ち……」
ともみは微笑した。花山は蒼井優に似ていると思った。
「一メートル以上も髪を切ったんです。棄てるのもったいないわ」
「たった今出てきたんですか?」
と、花山の失言。
「刑務所じゃないんだから……」
と、今度は間島の失言。
「ごめんなさい。雰囲気が硬いなぁ。なんて思って、不適切でした」
と、間島。
「ぼくもいやな云い方でした。ごめんなさい」
ともみは俯いてしまった。
「コーヒーを持ってくるわね」
敬子が立ち上がるとともみも立ち上がろうとしたが、よろけた。
花山がともみのかなり細い腕を掴んだ。
「ごめんなさい」
と、ともみと花山の声が重なった。ともみは顔を真っ赤にした。