扉を開けたメール
その先客とは、若い娘だった。花山たちは腰が抜けそうなほど驚いた。狐につままれた感じだ。
「宗山ともみです。こんばんは」
可愛い声なのだが、発音がおかしかった。話をすることに慣れていないのだと、花山は思った。
「このお部屋、初めてです」
云ったのはともみだった。
「どうぞ、お座りください」
「はい。ありがとうございます……花山君。座って」
ともみの斜め右側に間島は既に座っている。その反対側に敬子が座った。
残る席はともみの隣しかない。
「どうぞ、遠慮しないでください」
「はい。失礼します」
花山は隣のともみと眼を合わせて笑った。
「急いで髪を切ったから、おかしいわね。明日、隣の美容師さんに来てもらうわ」
と、敬子。